JR東海は、在来線の駅ホームを覆っている上屋の耐震補強を進める。列車のレールを上屋に再利用した愛知、岐阜、静岡の3県にある6駅では、約8億円を投じて整備を行う。
同社は2021年から、駅ホームの上屋の耐震補強に取り組んできた。今回、補強をするのは在来線の利用者が1日1万人以上で、レールを使った上屋がある豊橋、安城(ともに愛知県)、大垣(岐阜県)、三島、富士、掛川(いずれも静岡県)の6駅。現状使っているレールは、1930~60年代に製造された。形状や接合方法などが様々で、耐震性能の評価が難しいという課題があった。
JR東海は実物のレールを使った実験を重ね、耐震性能の検証手法や補強の工法を新たに開発することに成功した。柱の根元部分をコンクリートで補強するほか、必要に応じて地震の揺れを吸収するダンパーを設置し、震度6強の揺れに耐えられるようにする。建て替えるよりも工事費用を約27億円抑えられるという。工期は今年3月から2034年3月までを予定している。
JR東海の丹羽俊介社長は会見で「今後も地震対策に積極的に取り組み、より一層の安全、安定輸送の強化につなげていく」と話している。(辻健治)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル